犬にビタミンCを与えるとよくないのですか?
どこかで聞いたことがあります。
ビタミンとは、生命の維持に不可欠ながら体内で合成できないため外部からの摂取が必要とされる物質です。
しかし、、犬の体ではビタミンCは作られるため、厳密な意味ではビタミンとして扱われないことも多いです。
「ビタミンCを与えるとよくない」と耳にしたというのは、どこかで言葉の掛け違いがあって、そう伝わったのではないでしょうか。
犬は自分の体内でビタミンCを作れるので、健康体であれば特に意識して与える必要もないでしょう。
実はビタミンCを体内で合成できる動物は、結構多いのです。
逆にビタミンCを作り出せない動物の方が少なく、ビタミンCを作り出すのに必要なL-グロノ-γ-ラクトンオキシダーゼという酵素、これが遺伝的に欠けている私たち人間、類人猿、モルモット、こうもりなどの動物では、ビタミンCを作り出すことができず、外部から摂取する必要があるのです。
ビタミンCは体の中でタンパク質合成やコラーゲン合成に大きく関与するため、ビタミンCが不足すると組織を網状に繋ぐコラーゲンの合成が不安定となり、若干の機械的衝撃で粘膜表面が壊れて出血する壊血病が、最初の症状として現れます。
そして、コラーゲン合成が不安定になると、傷の治りも悪くなります。
また、ビタミンCはナイアシンやビタミンB6と共に、脂肪の代謝に関与するL-カルニチン合成の鍵となり、体脂肪の燃焼を促進します。
犬の場合は1kg体重の当たり40mgのビタミンCが体内で合成されると言われ、自分でビタミンCを作り出すことができるのだから、わざわざ与える必要はないかもしれない・・・と。
しかしそれは、もしも、犬の体が過度のストレスや病気にさらされていないのであればですが。
たとえば、飼い主家族が喫煙者の場合、室内に分散する副流煙を受身で吸い込む犬の体には、思わぬストレスがかかっていることになります。
あるいは、闘病中、投薬の分解代謝に肝臓が忙しければ、ビタミンCが体に充分な量作られているかちょっと心配になります。
「ダイエットしても体重が落ちない」、「なんとなく、いつもだるそうにしている」という時、ちょっとだけビタミンCに意識を向けてみてもいいでしょう。
疾患の治療法としてのビタミンCの例も挙げてみます。
ビタミンCのコラーゲン組織を安定させる働きは、関節炎やHD症状の改善に効果を上げているという報告があるほか、さらにはビタミンE同様に体内のフリーラジカル(活性酸素など)をとらえ、特に癌予防として効果があると注目を集めているようです。
これら以外でも手術の後や肝臓疾患にかかった時、そして高齢となった時には、食餌に加えてあげたいお勧めビタミンにはなるでしょう。
食物と一緒に摂取したアスコルビン酸は腸で吸収され、血液によって体中に運ばれ代謝された後、腎臓を通って過剰な量は尿中に排泄されます。
しかし、過剰に摂取することにより、吸収される前に下痢の原因になったりもするので、一度に大量に与えるべきものではないでしょう。
尿から排出されるビタミンCは体内で代謝(利用)されたビタミンCであり、余計な分ではありません。
余計なビタミンCは吸収されることなく便と一緒に出ていきます。
ただし、便中のビタミンCは亜硝酸などから発ガン性があるとされるニトロソアミンという物質の生成を抑制する働きがあります。(下痢や軟便になるのは過剰摂取)
犬はビタミンCを合成できる動物としてしられていますが、その合成される1日あたりの量には上限がありますし、また、他のビタミンCを合成できる動物と比べてその能力は著しく劣るといわれています。
ビタミンCの欠乏による重大な欠乏症として壊血病というものがありますが、犬がこの欠乏症になることはありません。
しかし、ビタミンCの欠乏が一因となって起きる病気というのは壊血病だけではなく、涙焼けや関節炎、膀胱炎などがあります。
少なくとも、そういった犬にビタミンCを与えることは有効な手段の1つだといえますし、また、ビタミンCは抗ストレスホルモンの生成に必要な物質ですから、ストレスが多い犬ほどビタミンCの要求量が増えていきます。
ですから、ビタミンCは必要に応じて与えるのが望ましいと私は考えていますし、うちの犬は運動量も他の犬よりも多く、土地柄も排気ガスなど吸い込む機会が多いため食品から摂る以外に中性型ビタミンC(エスターC)を1日1回飲み物に混ぜて一緒に与えています。
犬は体の中でビタミンCを自分で作っているのでいりません。多過ぎれば尿で出てしまいます。
べつに問題はないですよ。
ビタミンCは取りすぎても尿から出て行きますし。
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